梅田阪急でのワクワクする企画9階にて
3つの会場できものの祭典
祝祭広場では トリエさん、弓月さん、小紋廣瀬さんなどなどが
もっと身近に夏きもの
アートステージでは
日本織物めぐり
南は沖縄から 北は山形・米沢まで 上布、紬、絣・・逸品がならびます
阪急うめだギャラリーでは
人間国宝と名工の世界
全て目を見張る美しさ、個性あるきもの、着用する人を美しく魅せるきもの
7人の重要無形文化財保持者(人間国宝)の先生方が手がけた
繊細な手技が拝見できました
そして 同じ会場で
西陣今昔展が 開催されていました
ブログでは この今昔展に触れますね
2012年のパリ・コレクションに出品され 話題になった作品。
MIHARA YASUHIROとのコラボレーションにより、
京都の細尾が 迷彩パターンと日本の伝統文様を組み合わせた絹織物を製織しました。
映画「ウルヴァリン・SAMURAU」の封切に際して、主演女優「TAO」さんが着用。
世界のクラフトマンシップや伝統的なものづくりを大切にするインテリアブランド、
TELLAR WORKSの作品。
デンマークのデザイナー、トーマス・リッケのデザインを元に
銀杏のレントゲン写真をモチーフとした絹織物を京都の細尾が製織。
上海の高級家具メーカー FURNITURE LABOが仕上げた、独創的な作品です。
京都在住のシューズデザイナー、串野真也。
レディー・ガガのシューズデザインをはじめ、
国内外の有名アーティスト、ブランドとのコラボレーションも手掛ける。
当品は、京都国立近代美術館
”Future Beauty"日本ファッション:不連続の連続”
に出品された。
伊藤若冲の絵画にインスピレーションを得たデザインを元に、
京都の細尾が製織した絹織物を使用した作品。
ここから、西陣を代表する歴史ある企業さんの一品のご紹介になります。
<川島織物>
佐賀錦丸帯「百花」(さがにしきまるおび ひゃっか)
川島織物織物博物館に展示されている川島織物の代表作の一つも言える「百花」。
神坂雪佳の原画による式の多種多様の花が繚乱と咲き誇る姿を織物で表現したこの裂地は、
明治36年、川島織物が室内装飾用織物として始めて制作した裂地であり、
その名品を帯地として製作したものです。
佐賀錦は金の箔を置いた和紙を裁断した経糸(たていと)に添って通した細い絹のカラミ経によって、
佐賀錦の生地に絹の緯糸(よこいと)で裏打ちした柔軟性に優れた風合の織物で、
全体にきらびやかな逸品の帯です。
<菱屋善兵衛所蔵古裂>
文化元年(1804)創業の菱屋善兵衛。
約10年前、蔵を整理していたところ、明治・大正時代に製織していた生地や図案などが多く見つかりました。
当時の生地というのは、糸のこみ具合、ジャガードの細かさなど、大変緻密なもので、
現代の技術では復刻するのが困難なものも多数ありました。
現当主はこの生地をもとに研究を重ね、良質な原糸を緯糸(よこいと)に使用して、
一般の帯の倍の密度に織り上げることにより
その風合いの再現に成功しました。
この古裂は、その貴重な資料です。
<龍村美術織物>
四天王 獅猟文様錦(してんのう しりょうもんようにしき)
昭和12年から14年にかけて行われた法隆寺東院の本堂、夢殿の解体修理に際して、
本尊の救世観音像を安置する厨子が新調されるのに伴い、
新たに戸帳が制作されることになった。
この戸帳に四騎獅子狩文錦の復元品を用いることになり、
初代平蔵に制作が依託されました。
原品は紅が褪色して茶に変色しているが、
平蔵は染料をつぶさに研究し、
当初の鮮烈な赤のイメージを蘇らせました。
当品は、昭和15年に完成し法隆寺に納められた作品の複品です。
<舛屋高尾>
ねん金綴錦打掛「錦秋」(ねんきんつづれにしきうちかけ きんしゅう)
名古屋の徳川美術館の依頼により、
尾張徳川家に伝わる「無地ねん金袱紗」の復元に成功した舛屋高尾。
その復元の際に会得した真綿糸に金銀箔を巻きつける「ねん金糸」を用いて、
膨大な時間をかけて織り上げた打掛です。
金箔の陰から滲み出す、移ろうような色彩が深い味わいを湛える作品。
織物でこのような絵羽模様を表現することは大変困難を伴いますが、
当主・高尾弘氏の三女、朱子氏の婚礼のために、
あえて織り上げた作品です。
御寮織紋屋井関
御小うちぎ「小葵地紅枝桜文」(おんこうちぎ こあおいじべにえださくらもん)
文化14年(1817)、十二代伊関政因が光格院中宮様御用としてご調達した御こうちぎを、
十九代宗麟が復元したものです。
井関家は 代々「御寮織物司」として、宮中の御衣装束の製織に携わってきました。
その製織には、繊細な織技術はもちろん、
非常に細い絹糸「宮絹」や漆箔・焼き箔など再興の素材を選定することも大切な要素です。
これら伝統の技をより高め、のちに伝えるために、
この復元作業が行われました。
<大文字屋庄兵衛>
すくい織衝立「琳派四季草花図」
琳派風に描かれた四季の草花を、精緻な「すくい織」の手技で織り上げた衝立。
九代庄兵衛の代に、優れた職人の技を末代にまで伝えるために創作されたもので、
下絵から描き起こして、優に五年の歳月を費やして織り上げられたと伝えられます。
現代では これほどの大作を創作すうことは、もはや不可能とされています。
説明文は 記載されていたとおり、載せてみました。
美しさにただ目を見張る、そんな時間でした。